ターゲット顧客 ビジネス設計

ターゲット顧客像を設定してもマーケティング・セールスで役立たない理由

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マーティングやセールスを仕掛けていく上で〝ターゲット顧客の設定〟は欠かせません。

ところが、
「設定したターゲット顧客像と実際の顧客像にかなりのギャップがある。」
「苦労して〝ペルソナ〟※を設定したが何の役にも立っていない。」
という声がよく聞かれます。

※ペルソナとは、詳細に描かれた顧客の人物像のこと

せっかく作ったターゲット顧客像が実際に使えないものになってしまうのは、そもそも市場調査をしていないか、調査ポイントを外しているためです。

ここであなたは「〝市場調査〟なんて難しそう。」と不安になったかもしれませんが、その心配はありません。

多くの人が、市場調査というと大企業が行うような数百名~数千名を対象とした大規模なものをイメージしますが、個人でもできるような小規模で簡単に行うことができます。
(ただし、マスマーケティングを仕掛ける大企業を除きます。)

ただし、〝ポイント〟をおさえたヒアリングが必須条件です。

そこで、この記事では個人でもマーケティング・セールスに使えるターゲット顧客像をつくれるようになるために欠かせない〝ヒアリングの3つのポイント〟をご紹介します。

1.【ポイント1】ライバル商品の購入経験を訊く

ターゲット顧客像を決めるとき最も重要なポイントは〝ライバル商品の購入経験〟があるかです。

もし、ライバル商品の購入経験が無い対象をターゲットにすると売上が経つまでに非常に時間が掛かるか全く売れないという事態に陥ります。

反対にライバル商品の購入経験があるなら、そのターゲットに商品が売れるのはそれほど難しくありません。

ここで、もう少し分かり易くするために〝腕時計〟を例に挙げます。

あなたなら誰に腕時計を売ろうとしますか?

スマートフォン(以下、スマホ)が普及し始めてから腕時計をする人が減りました。
スマホで済ませる人が増えたからです。

もし「スマホで十分」という人たちをターゲットにしたら、腕時計を売るのが難しくなるのは当然です。

では、どういう人をターゲットにしたら売れやすいかというと

〝既に腕時計を買って身につけている人〟です。
一つ時計を買い良い思いをすると、別の時計も欲しくなるというのが人の心理です。

つまり、ライバル商品を使っているなら、自社商品を購入する可能性が高くなるというわけです。

このように、ライバル商品の購入経験がある人(または、企業)をターゲットにするのが鉄則です。

なお、ライバルには〝直接競合〟と〝間接競合〟があります。

1.1 直接競合

直接競合からの購入経験がある対象をターゲットに設定するのが基本です。

直接競合とは、自社と同じ〝商品カテゴリー〟を扱うライバルのことです。

例えば、高級腕時計ロレックスの直接競合は、オメガやセイコーです。

人は1つの商品を買い、気分が良くなると他の同種の商品も欲しくなる性質があります。
こうした性質が特に強い人たちが、コレクター(収集家)であり、特にこのような人達をターゲットにした商品を〝コレクター向け商品〟といいます。

1.2 間接競合

直接競合をあえて避ける戦略をとる場合は、間接競合からの購入経験がある対象をターゲットに設定します。

間接競合とは、自社と異なる〝商品カテゴリー〟を扱うが、自社が提供する商品・サービスと〝同じ価値〟を提供しているライバルのことです。

例えば、腕時計カシオの間接競合がAppleのiPhone(時計機能)です。

他の例を挙げると、
カプセルホテルに対するインターネット喫茶(簡易宿泊)。
海外旅行に対する東京ディズニーランド(非日常体験)。
などです。

2.【ポイント2】購買意欲のスイッチを見つける

ライバル商品の購入経験がある人であっても常に「欲しい!」と思っているわけではありません。

そこで、
「欲しい!」を引き出すスイッチを発見しておく必要があります。

2.1『情熱タイプ』で購買意欲のスイッチが分かる

ビジネス脳タイプ診断は、役立つターゲット顧客像を設定する上でも非常に有効です。
ターゲット顧客の『情熱タイプ』からターゲット顧客の購買意欲のスイッチが分かるからです。

反対に、
ターゲットの『情熱タイプ』が分からないと、購買意欲へ働きかける方策が手探りになるためマーケティング戦略やセールス戦略を立てることが難しくなります。

(1)『接近型』のスイッチ

ターゲットが『接近型』が強い場合、「欲しい結果が手に入る」ことが期待できると購買意欲が高まります。
購買意欲を高めるポイントは、期待イメージを膨らませることです。

(2)『回避型』のスイッチ

ターゲットが『回避型』が強い場合、「望まない結果を回避できる」ことが期待できると購買意欲が高まります。
購買意欲を高めるポイントは、問題を放置することで生じる痛みのイメージを明瞭にすることです。

(3)『調和型』のスイッチ

ターゲットが『調和型』が強い場合、「自分が身を置く〝場〟がより良くなる」ことが期待できると購買意欲が高まります。
購買意欲を高めるポイントは、ターゲット本人に止まらずターゲットの周囲の人達の状況や環境が改善するイメージを明瞭にすることです。

3.【ポイント3】ニーズの満たし方を決める『価値基準』を探る

もう一つ把握しておかなければならないのが『価値基準』です。

3.1『価値基準』とは

あらゆるニーズの根底には『価値基準』が隠れています。

『価値基準』とは思考・行動を方向付ける〝脳のコンパス〟です。
一言で表現すると「好き・嫌いのものさし」です。

人は正しい・間違い、美しい・醜い、善・悪など物事を判断するモノサシを沢山もっています。
そして、どのモノサシも突き詰めていけば「好きか嫌いか」という価値判断に集約されます。

この価値判断のモノサシ=価値基準は、〝理性の脳〟から〝感情の脳〟へと一連の脳神経群に作用し思考と行動の方向性を決定づけます。

ですから、
ニーズを満たす商品であっても価値基準に反するものは購買行動につながりません。

また、価値基準に大きく反する場合、かえって購買意欲が削がれることがあります。

3.2 誰もが気分よくニーズを満たしたい

「価値基準に大きく反すると購買意欲が削がれる」というのは、逆の言い方をすれば「気分よくニーズを満たしたい」というわけです。

この視点を見落とすと、ニーズを掴んでいるのに成約できない可能性が飛躍的に高まります。

これを分かり易い例で解説します。

コーヒーで有名な〝スターバックス コーヒー ジャパン〟社は「倫理的な調達」を表明しています。

なぜかというと、カフェやコーヒー豆の販売企業が大きな利益を上げている一方でコーヒー豆生産者の多くが不当な取引を強いられ、貧困で苦しんでいるという実態に配慮してのことです。

この事実を知った多くの人がコーヒーやコーヒー豆の購買意欲を削がれます。
「不当に搾取されたコーヒー豆から作られていると思うと気分が悪いから欲しくなくなる」というわけです。

これはどんな商品・サービスに対しても当てはまります。

4.やはり直接のヒアリングは欠かせない

もうお分かりのようにアンケート票に回答を書き込んでもらう形式では、以上の3つのポイントをおさえるのは非常に困難です。

ですから、
いかに直接ヒアリングの機会をつくるかが勝負になります。

しっかりと直接ヒアリングの機会をつくり売上アップに直結するターゲット顧客像づくりに是非、チャレンジしましょう。
意外と難しくないことが分かるでしょう。

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