高松です。
自伝的に「ポテンシャルを発揮するカギ」をお伝えする第4回です。
自伝なので私の人生に沿って書いています。
興味の無い方はさっとページを閉じててください。
今回は「祈りと経営」をテーマに扱います。
私が経営コンサルタントになってから本当に沢山の経営者にあってきました。
名刺交換くらいなら6,000名ほど。
私が講師やコンサルタントとして深く関わった人が400名ほど。
特に私が独立してから出会った人達とは深い関わりをしています。
そこで経営者には重要な〝資質〟があることを知ります。
それは〝人としての格〟です。
人としての格というと、芸能人格付けチェックのようなイメージで捉える人がいるかもしれませんが、全くそれとは異なります。
上質なワインと安物ワインの区別ができるかなどどうでも良い話しです。
お金・異性・名誉といった小欲よりも自分の生き方を貫くことを優先できる人が〝格〟が高い人です。
そして、どのような動機付けで行動しているかでその人の格が決まります。
マズローの欲求段階説というものがあります。
人はそのステージにおいて抱く欲求が変わるというものです。
そのマズローの欲求段階説を発展させたものが「欲求の7階層」です。
第1階層:生理的欲求
生理的に心地よくありたい欲求。食欲・性欲・睡眠欲。
第2階層:安全欲求
安心安全を手に入れたいという欲求。
第3階層:愛と所属の欲求
人と親しくしたい、人に受け入れられたい欲求。
第4階層:承認欲求
有能でありたい。評価を得たい欲求。
第5階層:認知欲求
これは理解すること、探究することへの欲求。
第6階層:審美的欲求
真・善・美への欲求。
第7階層:自己実現
自己の可能性を追求し実現したい。
これらのうち、格が高いと言えるのは第6階層からになります。
そして、世の中の多くの成功者と言われている人達は
残念ながら第4階層で止まっている人が多く見られます。
自分の有能さを世の中に見せつけたいという思いです。
しかし、人は成長していきます。
「上位構造が下位構造を支配する。」という真理に気づいた賢い人だけが、
「真の意味で承認欲求を満たすには、上の階層を目指す必要がある」ことに気づきます。
私が関わってきた経営者でこれに無意識的にでも気づき、第6階層以上へ上った人は、どんな苦境に立たされても折れることはなく、また世の中が応援してくれるようになります。
そして、第6、第7階層の人達には共通の特徴があります。
それは習慣的に「祈り」をしていること。
自分の欲を叶えるための願いではなく、純粋に他者のための祈りです。
「私のビジネスに関わる人が全て幸せでありますように。」
「お客様が喜びを得て幸せな毎日を過ごせますように。」
「この地域が少しでも良くなり、みんなが明るく過ごせますように。」
このような祈りを毎日行っています。
人は他者のために祈っているとき、心が静かになり本来の力を発揮しやすくなります。
そして、前回も書きましたが、人間の脳は共鳴します。
この「祈り」を毎日続けていると、その祈りを誰にも言っていなくても祈りの内容に共鳴するように素晴らしい人たちが集まってきます。
そして、そういう純粋な思いで共鳴する人たちとは必然的に長く素晴らしいご縁ができあがっていきます。
当然、良いお客様・従業員に恵まれます。
もし、これが小欲を満たすための願いだったらどうでしょうか?
我欲まみれの人々が集まってくるようになります。
クレームが多い、嫌なお客様、わがままでまともに働かない従業員などが集まってきます。
そのような人に囲まれて苦しいという方は、願うことを止め、他者のために祈りをすることをお勧めします。
このことから分かることは、
経営者という社会的に影響力を持った立場に身を置く人が、願いに執着すると、社会が荒れます。
我欲まみれの人が集まります。
良くも悪くも人は集団になると影響力を持つようになります。
この場合は、周囲の格を落とす影響力です。
一方で、他者のために祈り続けている経営者の周りには、格が高い人達が集まります。
そして、周囲の格を引き上げるような影響力を持ち始めます。
どちらの経営者が良いかは言うまでもありません。
他者のために祈り続ける経営者が増えていくと日本はもっと良くなるのでは無いかと思います。
さて、次回は「祈りと経営」の続きを書きたいと思います。